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パワハラ・セクハラ 仕事のトラブル

自分できるパワハラ・セクハラ慰謝料請求マニュアル(基礎編)

クマ先生~。今日仕事で失敗してしまったよ。
そしたら会社の先輩に『お前は何をやらせてもダメだな、クズが』って言われて2時間以上も怒鳴られ続けたよ。
やっぱり僕はこの仕事に向いてないのかな?
いやいや、それはもう指導を超えてパワハラですね。
えっ、僕の失敗が原因なのにパワハラになるの⁇
どうやらカエル君はパワハラについて間違った理解をしているようですね。
そんなカエル君のために、今回はパワハラ・セクハラについて解説していくことにしましょう。

 

この記事で解決できること
  • どんな場合にパワハラやセクハラに該当するのかわかる
  • パワハラやセクハラに関する基礎知識が身に付く
  • パワハラやセクハラによって何ができるのかわかる
  • 慰謝料等の請求方法がわかる
  • パワハラやセクハラを弁護士に依頼するメリットとデメリットがわかる

パワハラに関する基礎知識

パワハラに該当する場合とは?

 パワハラの定義    

「職場における優越的な地位を背景とした、業務上必要かつ相当な範囲を超えた行為」

  パワハラに関するよくある間違い 

よくある間違いとして、パワハラは上司や先輩からでないと成立しないと考える人がいますが、優越的な地位でありさえすれば、同僚や部下からの行為もパワハラに該当します。

 ex:部下の方が社内で意見が通りやすく、事実上社内で優越的な地位である場合

パワハラの具体例
①身体的な攻撃(暴力等)

②精神的な攻撃(脅迫、侮辱、暴言等)

③人間関係からの切り離し(無視、隔離、仲間外し)

④過大な要求(到底処理しきれない量の仕事を押し付ける)

⑤過少な要求(必要以上に低いレベルの仕事を押し付ける、仕事を与えない等)

⑥個の侵害(休日に無理に付き合わせる、個人的なことを詮索する等)

※以上は一例にすぎず、これ以外にもパワハラに該当することはあります。

 

セクハラに関する基礎知識

セクハラに該当する場合とは?

 セクハラの定義    

「職場において相手(労働者)の意思に反して不快や不安な状態に追いこむ性的な言動起因するものであって、(1)職場において行われる性的な言動に対する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受けること、又は(2)職場において行われる性的な言動により労働者の就業環境が害されること」

 セクハラに関するよくある間違い 

よくある間違いとして、セクハラは男性から女性に対してでないと成立しないと考える人がいますが、①女性から男性に対して、②女性から女性に対しても、③男性から男性に対してのいずれであっても、上記の定義に該当する限りはセクハラに該当します。

セクハラの具体例
① 性的発言 「かわいいね」「今日の服装エロいね」「彼氏いるの?」等

② 行動(ボディタッチ)

※業務上必要のない接触はセクハラに該当する可能性が高いです。

 

パワハラやセクハラを受けた場合は何を請求できるの? 

 慰謝料

相場としては10万円から100万円程度です。

 治療費等

パワハラやセクハラによって病院へ通った場合には認められる可能性があります。

 逸失利益

PTSDなどにより、一生にわたって仕事に支障がでる場合には認められる可能性があります。

※これらの請求は、パワハラやセクハラをした相手だけでなく会社にも請求ができます。

 

パワハラやセクハラの時効は? 

3年です。
※法律構成によっては10年の時効もありますが出来る限り3年以内に請求しましょう。

 

慰謝料等の請求方法

相手や会社へ請求する

相手(パワハラ、セクハラの場合)や会社に対し、内容証明郵便等を送り、慰謝料等の請求を行います。
相手との直接のやりとりであり、裁判所等の法的機関は関与しない任意の交渉です。
交渉は裁判所を通じた手続きではないため、相手が請求に応じない場合が多いです。
※弁護士を立てずに自分で行う場合、労働審判や裁判を行う方が解決する可能性が高いです。

労働審判を行う

労働審判とは、裁判所を通じた話し合いの手続きです。最大3回の労働審判期日が開かれ、最後には審判(判決と同じようなもの)が下されます。
労働審判の場合、ほとんどの事件が1回目又は2回目の労働審判期日で和解が成立しています。
このように、労働審判では和解で解決することがほとんどです。
もっとも、和解の場合にはある程度譲歩する必要があるため、自分の請求が全て認められる和解はまずあり得ません。
そのため、一切譲歩したくない方、白黒はっきり付けたい方には裁判がオススメです。

解決までにかかる期間としては平均して3ヶ月から半年程度です。

裁判を行う

裁判とは、裁判所を通じた厳格な手続きです。
裁判所の最終的な判断(判決)を得ることができるため、問題が解決するすることはできますが、一方で負けるリスクもあります。
多くの場合、判決が出る前に和解し、判決まで争い続ける場合は少ないです。

解決までにかかる期間としては平均して半年から1年程度です。

まとめ

①自分で請求する場合には労働審判か裁判がオススメ
②その中でも、早期解決がしたい人は労働審判、白黒はっきりつけたい人は裁判がオススメ

 

慰謝料請求等を弁護士に依頼するメリットとデメリット

メリット

 精神的な負担が減る

弁護士に依頼した場合、直接相手とやりとりする必要がなく、精神的な負担はかなり減ります。

 時間が取られない

弁護士に依頼しない場合、必要書類の収集や作成、裁判所への出頭などを全て自分で行わなければなりません。その点で、弁護士に依頼すれば全て弁護士が行ってくれるため、時間を取られずに日常生活を送れます。

 法的を駆使してうまく戦ってもらえる

弁護士は法律の専門家であるため、あなたの事情をうまく法律に落とし込んでうまく戦ってもらえます。

デメリット

 お金がかかる

パワハラ・セクハラで弁護士に交渉・労働審判・裁判等を依頼する場合
着手金:20万円~40万円程度
報酬金:認められた金額の15%程度から25%程度
合計で最低でも30万円から40万円程度はかかります。

一方でパワハラやセクハラの慰謝料額の相場は10万円~100万円程度

そのため、認められた慰謝料額のほとんどは弁護士費用でなくなる場合も多く、むしろマイナスになることもあります。
できる限りお金をかけたくないのであれば、弁護士に依頼せずご自身で行う方が良いでしょう。

 証拠がない場合は弁護士に依頼しても勝てない

弁護士はあくまで証拠を作り出すことはできません。
そのため、客観的な証拠(パワハラ・セクハラの録音、録画等)がない事案の場合、結局は当事者の尋問で判断せざるを得ないため、弁護士に依頼しても勝てるとは限りません。

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